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家族みんなで減塩生活

減塩は一人でできるものではありません。 例えば、乳幼児は自分で食塩摂取量に注意することは難しいため、親がコントロールする必要があります。しかし親が濃い味を好んでいると、子供も似たような嗜好になる可能性があります。血圧が気になって減塩食を始めても、味が濃い食品が食卓に上がり続けていたら、つい手が伸びてしまうものです。減塩の心がけは、家族みんなで取り組むことが大切なのです。

ライフステージ別食塩摂取目標量。赤ちゃん、幼稚園、小学生、中学生以上とライフステージごとに食塩摂取量が異なる事を表す。
1.離乳期・幼児期

乳幼児期・離乳期に培われた味覚は、その後の食習慣に影響を与えます。
離乳食の開始の頃には調味料は使わず、徐々に使用する場合も、素材の持ち味を生かした薄味にしましょう。
幼児期には、大人とほぼ同じメニューに移行します。しかし、塩味への感受性が成人よりも鈍いという報告もあるので、味付けが濃くなりすぎないように注意が必要です。
また、小児の味の好みは両親からの影響が大きいことがわかっています。特定の味の好みにかたよらないよう、甘み、塩味、辛味や酸味などさまざまな味に慣れさせていきましょう。

2.学童期~青年期

食習慣が確立されるとともに、好き嫌いなどの個人差が大きくなり、外食の機会が増えてくる時期でもあります。この時期の塩分の摂りすぎは将来の高血圧、動脈硬化などの発症にかかわるため、ひき続き薄味の習慣を身につけさせることが大切です。
ファストフードやスナック菓子など、家庭の食卓以外で摂取する食塩量には親は関知できません。食塩過多のリスクや塩分が多く含まれる品目について、日頃から説明しておくとよいでしょう。

3.壮年期~中年期

運動不足や食べ過ぎ、生理機能の低下によって、肥満、高血圧、動脈硬化といった生活習慣病のリスクが上がるため、食習慣の見直しや自己管理能力が求められます。また、女性では50歳代になると高血圧の割合が40歳代の2倍以上に増加します。これは閉経によって女性ホルモンの分泌量が減少し、血管の柔軟性が低下することで血圧が上昇しやすくなるためと考えられています。
これらのことから、引き続き減塩食の習慣をつけ、薄味でもおいしく食べられる工夫や調味料の使い方、汁を残すなどの対策が大切です。

高血圧患者の割合(20歳以上)
高血圧患者の割合(20歳以上)グラフ。女性は40代から50代でにかけて約2倍増加していることを表す
高血圧とは、縁を切る!

高血圧などの生活習慣病は多くの場合、長い時間をかけてじわじわと形成され、発症に至ります。
そのため、好発年齢が50歳以上という女性の高血圧の場合、30歳代・40歳代からの予防が大切です。

働き盛り・子育て世代である30歳代・40歳代の方、
「何年間も健康診断を受けていない」
「倦怠感が続くけど仕事は休めない」
など、自分のことを後回しにしてはいませんか?

こうした方は、50歳を過ぎてから高血圧を抱えてしまうリスクが高いと言えます。30歳代・40歳代のうちから、食生活を見直す、一駅歩く習慣を身につけるなどして、少しずつ自分のメンテナンスにも目を向けていき、高血圧とのお付き合いはお断りしましょう。

4.老年期

加齢にともない、塩味を感じにくくなることがあります。70歳代で認知できる塩分濃度は、20歳代と比べると、男性で約7倍、女性で約12倍という研究報告もあります。そのため、生活習慣病などで食事制限が必要な方は特に、知らず知らずのうちに塩味が濃くならないよう注意が必要です。
一方、減塩を意識するあまり味を薄くしすぎると、食欲が低下して低栄養につながるおそれがあります。健康に気をつかいながら、食事を楽しむために適した味付けについて、医師や栄養士に相談してみましょう。

薄味には慣れる

健康のために減塩を始めようと思っても、減塩食は薄味でおいしくない。そんな風に思われる方が多いのではないでしょうか。
減塩食への慣れに個人差はありますが、出汁などで補いながら徐々に塩分を減らすことで多くの人は薄味に慣れることができます。薄味の味噌汁に慣れる日数を検討した調査では、年齢や性別に関係なく、10日間で74.1%の人が薄味に慣れたという報告があります。

監修

監修 河野 雄平先生
河野 雄平先生

帝京大学福岡医療技術学部 医療技術学科長/教授(内科学)
国立循環器病研究センター(高血圧・腎臓科) 客員部長
1974年九州大学医学部卒業、第2内科入局、1978年福岡県立九州歯科大学内科 助手、1981年九州大学医学部第2内科 助手、1982年米国クリーブランドクリニック心血管研究部門 研究員、1985年国立循環器病センター内科高血圧腎臓部門 医員、2001年 同部門 部長、2010年独立行政法人国立循環器病研究センター 生活習慣病部門長・同 高血圧・腎臓科部長、2015年帝京大学福岡医療技術学部 医療技術学科長/教授(内科学)。
専門は、高血圧、腎臓病、循環器病、生活習慣病。
日本高血圧学会(名誉会員,監事)、日本未病システム学会(理事)、日本腎臓学会(功労会員)、独立行政法人医薬品医療機器総合機構専門委員 (2004-)、厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年版」策定検討会構成員など多数を務める。

参考文献・資料

厚生労働省 “日本人の食事摂取基準(2020 年版)の概要”

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08415.html

厚生労働省 (2017) “平成28年 国民健康・栄養調査”

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h28-houkoku.html

  • 三輪全三ほか.(1997) “小児の味覚閾値 ―成人との比較―” 小児歯科学雑誌 35(2): 359.
  • 田口田鶴子ほか.(1993) “幼児の食味嗜好性および味覚閾値” 小児歯科学雑誌 44(2): 161-168
  • 水沼俊美ほか. (2000) “加齢により塩味(味覚)閾値は低下するか?塩味閾値と食塩摂取量に関する研究” 助成研究報告集 1998年度(2). 03:305-312.
  • 松本仲子ほか.(1985) “年齢別,性別による低塩味への慣れに関する考察” 栄養学雑誌 43(2): 77-81.

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